在籍型出向⽀援プロジェクト

熊本県

在籍型出向のメリット~従業員編~ Column

2022年01月03日

在籍型出向とは

出向元企業と出向先企業との間で契約を結び、労働者が出向元との雇用関係を維持したまま、新たに出向先と雇用契約を結ぶことを「在籍型出向」と言います。労働者派遣に似ていますが、二重に雇用契約を結ぶ点が大きな違いです。「従業員シェア」「雇用シェア」などとも呼ばれ、昨今のコロナ禍においては、一時的に事業を縮小する事業主と人手不足に悩む事業主の双方の課題を解決する策として注目されています。

休業・失業を阻止できる

 雇用をシェアする「在籍型出向」。この仕組みは、実際に出向する社員にとってもメリットがあります。これまで在籍していた会社(出向元)の業績が思わしくなく雇用維持できなくなれば、社員はそこで働き続けることできません。どれだけ能力があっても意欲が高くても休業や失業することとなり、その場合、労働者である本人が次の就労機会を創出しなければならないのです。時間も労力も要する再就職・転職活動は、労働者にとって心身ともに大きな負担となります。

 しかし在籍型出向なら、勤務先の会社(出向元)が出向先企業と契約を結ぶため、労働者本人の失業を防ぐことができます。また契約時に定めた期間を終えれば出向元企業に戻るため、愛着や信頼関係のある職場に復帰できる点も大きなメリットです。

キャリアアップにつながる

休業していたり失業後の再就職が見つからなかったりすれば、労働から離れざるを得なくなり、能力の低下や感覚の喪失にもつながりかねません。在籍型出向でブランクなく別の会社で働くことは、労働者のキャリアにとってプラスになると言えるでしょう。

また新たな経験や出会いによって見識を広げることができ、出向先が持つノウハウから自分の職業能力の向上を図ることもできます。反対に出向先で能力を発揮すれば出向先企業の職場に刺激を与えることもでき、充実感を得られます。さらには期間終了後、元の職場での業務に出向先で得た学びを活かすことができるため、労働者にとってはキャリアを高める機会になるのです。

現在、雇用維持を目的とした在籍型出向を推進する取り組みが活発になっています。在籍型出向は企業間の労働力をシェアできるだけでなく、人事交流やスキルアップのチャンスです。

熊本県でもさまざまな支援を行なっていますので、積極的にご活用ください。